「マイヒンスコエ」ワイン醸造所

沿海地方の野生植物のワイン

「マイヒンスコエ」ワイン醸造所は沿海地方のシュコトフスキー地区アニシモフカ村のマイへ河岸にあります。ここではセルゲイ・クレチコが一家で2004年から野生植物を栽培し、果実やベリーからオリジナルワインを製造しています。セルゲイ氏はエノロジスト(ワインの栽培から瓶詰めまでを監督するスペシャリスト)の専門教育を受けたことはありません。ワイン醸造の基本はウクライナのハリコフ市で学び、クリミアでワイン作りの研修をしていました。後年、沿海地方に引越ししたところ、ここの葡萄栽培の条件がクリミアに勝るとも劣らないということを発見しました。

醸造所の土地面積は1ヘクタールあります。ここにはマンシュウヤマブドウ(アムールブドウ)、スイカズラ、フサスグリ、ガマズミ、朝鮮五味子、スグリ、マタタビなどの野生や果樹園の植物が育っています。製造されるワインの種類は、冷たい前菜や海鮮物に合う白の中辛口からデザートに合う赤ワインまで豊富です。

製造は自然醸造技術が利用され、二酸化硫黄などの添加物が入っていません。発酵プロセスは自然のワイン酵母によって起こされ、特別製のステンレス容器のなかで続きます。あるマイヒンスコエ・ワインは数年間にわたって味が変わり進化する長期熟成タイプで、「エイジング・ポテンシャル」が長いが、他の種類には若々しく軽い風味を満喫できる、1年程度が飲み頃の若いタイプもあります。ここは本格的な醸造所というより、クリエイティブなワークショップとなっていますので、ワインの製造量は少量で、主に自家用やゲストのために造られています。醸造所内にはピクニック・ゾーン、ゲスト・ハウスやロシア式バーニャ(蒸し風呂)もあります。

農業醸造所にとってライセンスや販売許可を取得するのが難しいため、マイヒンスコエ・ワインはウラジオストク市の小売店では販売されていません。そのためセルゲイ氏は所内施設のツアーやワイン試飲会などの普及活動を行っています。自分のミッションとして、沿海地方でもワインが造れるというメッセージを全世界に発信し、リーダー醸造家になろうと努力しています。時折国際展示会にも出展しています。例えば、マンシュウヤマブドウ(アムールブドウ)のワインは去年、秋田県での展示会に出展されました。

国際的格付けや評価については、最近、フランスのベスト・ソムリエ10人のうちの1人がセルゲイ氏の醸造所を視察し、「優れた醸造家がこの葡萄に手をかけたなら、かなり魅力的なワインが出来るだろう」という意見を述べました。しかしこのソムリエは、10年物までの全種類を試飲しある程度の評価はしたものの、マイヒンスコエ・ワインに添加物を加えないならば醸造過程に影響できないので、将来ワインがどのような味になるのか予想ができないと結論しました。しかしながらセルゲイ氏は、国際販売市場での評価の決定的要素は味のみではないと考え、今までの醸造方法の基本を変えるつもりはないようです。

6種ワインの試飲を含めている醸造所の見学ツアーは1人あたりに940円位かかります。

Anisimovka village, Smolnaya Str., 11
+7 (902) 524-54-88

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