ウラジオストク散策

ルート3番。アルセーニエフの足跡を辿りながら。

ウラジオストクや沿海地方の歴史に具体的に接したいならば、この興味深いルートを選んで下さい。このルートは短いですが面白いです。スヴェトランスカヤ通り20番地にあるアルセーニエフ博物館から観光を始めたら良いでしょう。

当地方の先住民の世界との出会い、考古学者が発見した物を観察したり沿海地方の植物界と動物群の研究を終えたら、スヴェトランスカヤ通りを進んでください。ところで、博物館の隣に「艦隊百貨店」という面白い店があり、ここでは海をテーマにしたお土産だけではなく、縞模様の海兵シャツ、水筒、水兵帽など本物のロシア軍服を買うことが出来ます。

スヴェトランスカヤ通りを海の方向に向かって進むと、歴史的なビルにあるお洒落なカフェや店をのぞくことができます。スヴェトランスカヤ5番地の中庭には現代美術画廊「アルカ」の建物が隠れています。隣の壁には当地のストリートアーティストが、自分なりに芸術的視点を表現しました。

その先には100年以上前に建設された「ベルサイユ」ホテルが見えてきます。道路を横断すると、スポーツ湾の海岸通りを右手にし、左手には「オケアン」映画館が現れます。最近メインホールでは、IMAXフォーマットへの技術的な改装が終わり、その高品質な画面や音響のおかげで、あたかも映画の中にいるかのように映画を楽しむことができます。もし「ビロードの季節」と呼ばれる9月にウラジオストクを訪れるなら、この映画館で行われる「パシフィック・メリディアン(太平洋子午線)」映画祭に出品された、日本、中国、またシンガポールの映画もご覧になれるでしょう。

映画館の周りを一回りすると、ブロンズ製のタイガの主、ウスリー虎と対面します。このブロンズの猫の耳の後ろをこするのは縁起の良いことと考えられています。この彫刻が設置されている丘はティグロヴァヤ丘(虎の丘)と呼ばれています。ウラジオストクが創設された当初は、虎が良く町に出て、住民を怖がらせました。当地の犬をほとんど全滅させ、馬、牛や人間を襲いました。現在は市内ではブロンズや石造の虎にしか会えないですが、自然の中で本物を見たいのなら、ウラジオストクの郊外にあるサファリ・パークを訪れてみて下さい。沿海地方では虎が特別に愛され、崇拝されてさえいます。市章には虎が描かれ、毎年9月には「虎の日」というイベントが行われています。

虎とのセルフィーを撮ってから、先に進みましょう。映画館の上には、ロシアの有名な艦隊司令官で学者のステパン・マカロフ海軍中将を記念して名づけられた公園があります。ここにはその銅像が立っています。

19世紀にマカロフ中将は海軍の改善を目的とする多くのアイデアを提案してきました。例えば、煙のない火薬の導入、一番硬い装甲さえ貫通出来る特殊な先端部品の発明、ロシア初の「エルマーク」砕氷船の開発に参加しました。この太平洋艦隊司令官は、1904年2月日露戦争時に、日本軍の敷設した機雷に触れ爆沈された「ペトロパブロフスク」戦艦上にて戦死しました。

公園の近くには韓国グリル・カフェ「釜山」があります。お腹が空いたら、マリネされた様々な種類の肉を試すことができます。鉄板がテーブルに設置されていますので、客は自分の好みで調理することができます。

ナーベレジナヤ(海岸)通りに出たら、上にあるロトンダ(バルコニーに似たアーチ状道路飾り)に上がって下さい。この場所はウラジオストクのロマンチックな人々の間で人気があります。ここではプライバシーは守られませんが、アムール湾の美しい風景を眺めることが出来ます。7月末に祝われる海軍の日には、ロトンダの辺りの場所を前もって押さえておいた方がいいでしょう。ここが軍艦のパレードを見るには一番いいスポットだからです。

AZIMUT Hotel Vladivostok」の隣にはアントン・チェーホフ記念公園があります。彼は1890年にウラジオストクを訪れました。

ここを本当に散歩したかどうかわかりませんが、チェーホフが友達宛に書いた手紙が残っています。それによると、10月のウラジオストクでは天気が温かくて気持ち良く、「港では本物の鯨が泳いで尻尾で水面を叩いており、すばらしい印象を受けました。ウラジオストクでの平和な生活は楽しく、ヨーロッパ風と言ってもいいです。魚はなんと美味しいことか!大きな牡蠣が海岸中に散らばっていて、美味しいです。」現在もミンク鯨をウラジオストク付近で見かけることが出来ます。

それでは、海岸通りからピエルヴァヤ・モルスカヤ通りに曲がりしょう。ウラジオストクを散策すると、多くの通りの名前が海に関連していることに気づくでしょう。例えば、ベレゴヴァヤ(岸)、カテルナヤ(モーターボート)、コラベリナヤ(船)、コラルロヴァヤ(サンゴ)、マトロスカヤ(水兵)、オケアンスキー・プロスペクト(海洋大通り)、ルィバツキー・ペレウロク(漁師通り)などがあります。ウラジオストクの生活は海なくしては想像出来ません。ウラジオストクに住んでいた世界で初の女性船長アンナ・シェティニナも、恐らく自分の人生についてそのように思っていたでしょう。

彼女が住んでいた家がこの地区にあるポシェツカヤ通りに所在しています。ここからピエルヴァヤ・モルスカヤ通りを下り、アルセニエフ通りへ右折し、ウラジーミル・アルセーニエフの家博物館まで直進します。ここには極東の発展に大きく貢献したロシアの作家・学者でもある旅行家が住んでいました。住宅は20世紀初頭に建設されました。本棚、アーチ状に曲げた木製の椅子、ロッキングチェア、地球儀、タイプライター、写真や書類などの展示品は全て本物なので、中に入るとその時代に移動したような気がします。アルセー二エフの旅行記、彼個人の旅行用具、考古学的発見物は、きっと疲れを知らない旅行者の興味をそそるでしょう。アルセーニエフに刺激を受けたあとは、新しいルートの旅に出発しましょう。

ウラジオストクへようこそ

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