「パシフィック・メリディアン」はロシアの日本海海岸において毎年開催される映画祭です。この名称は会場の地理を定義しているだけではなく、出品作の製作地についてもヒントとなっています。この映画祭ではオーストラリア、ニュージーランド、インド、シンガポール、韓国、中国、アメリカ、カンボジア、スリランカなどからの映画が上映されています。ロシアではこのような映画を見る場所はなかなかありませんが、「パシフィック・メリディアン」の観客には塚本晋也、北野武、キム・ギドク、ブリランテ・メンドーサ、ラヴ・ディアスの最新作品を鑑賞する機会があります。
映画との出会いはいくつかの会場で行われます。その一つは独特の映画センターで、極東最大で、最も綺麗な「オケアン」映画館です。展望台の機能も持つバルコニーからアムール湾への光景が広がります。
ちなみに、開会式や閉会式もこのセンターにて行われます。世界中から集まる映画祭の参加客はブルー・カーペットを歩み、階段を上がっています。映画館から少し下がった海岸通りでは、「オープン・スクリーン」というプログラムが行われるもう一つの会場があります。ここは夕方、屋外で映画が上映されます。星空、海のざわめき、素晴らしい映画作品などのおかげでロマンチックな夜になります。もう一つの重要なポイントは、すべての映画は無料で見ることができるということです。
映画祭開催中には、ウラジオストクでは映画を見れるだけではなく、映画を撮影する人とも出会えます。若手も、中堅も、スーパースターでさえ、自分の仕事についてざっくばらんに話してくれます。マスタークラスやアーティストとの座談会は「パシフィック・メリディアン」のプログラムには必須項目となっています。
映画祭開催中、ウラジオストクは国際映画学校になります。非常に重要なプログラムの一つは、文化プログラムです。この映画祭ではスターが絵を描いたり、写真を撮ったり、歌ったりしているのを見ることができます。
2012年にライザ・ミネリが、2011年にヴァンサン・ペレスがしたように。この数年にわたってウラジオストクを、ジェラール・ドパルデュー、オルネラ・ムーティ、カトリーヌ・ドヌーヴ、ミケーレ・プラチドなどの俳優が訪れました。彼らはまったく自由にウラジオストクの通りを散策していました。
映画祭中は、9月の太陽の光のおかげでより色彩が鮮やかな街全体が、青空やキラキラ輝く温かい海を反映しながら、「すべての人のための映画のお祭り」を祝います。そしてそれこそがこの映画祭のモットーなのです。
1995年から営業している私立美術画廊は新たなコンセプトやスタイルの展覧会を通じて、ウラジオストクの文化環境の形成に積極的に参加し、極東地域の若手画家の美意識へ有益な影響を与えています。