ガラスや金属で作られた現代的な建物が、チュールキン半島側の金角橋の端にそびえたっています。これは、早くも沿海地方の文化的な生活の中心となり、2016年1月からマリインスキー劇場付属劇場の資格を与えられたオペラ・バレエ劇場です。ゴールデンブリッジと同様、劇場は3年という最短期間で建設されました。橋の建設と同じように劇場も、本当に建設されるのかという市民の懐疑的な視線を受け、極東において1702席ものモダンな劇場を造るというアイデアはどうもユートピア的に見えました。しかし、無事に建設され、オープニングも行われ、最新の照明器具や音響機器、それに観客でいっぱいになりました。
音響について特に述べさせてください。大ホールの高音質は馬蹄形のホールのおかげで創られます。ホールの壁には特別な木造ブロックが組み込まれています。そのブロックの1種類は音響を反響し、もう1種類は音を吸収しています。同様のブロックは世界の最新ホールにも設置されています。
また、独特な音響は、金属が使われていない斜張天井のおかげで得られます。マリインスキー劇場沿海地方分館にはいくつかのホールがあります。312席の小ホールは室内楽演奏会を対象とし、ここではロマンスの夕べが行われたり、バレエの抜粋などが行われています。アリーナ席はステージと一体化できるように変形出来る構造となっています。大ホールは大型のオペラやバレエ用に設計されています。1390人が入れるキャパシティを持っています。サマー・ステージは屋外公演や小規模オーケストラ演奏のために作られています。
劇場で最も重要なのは出演者です。団員はロシア全国から集まってきました。オーケストラにはマリインスキーやボリショイ劇場の音楽家が在籍しています。オペラ団のソリストは才能ある優れた若手演奏家です。彼らの多くは国際コンクールの優勝者です。バレエ団には韓国、日本、アメリカからの外国人のダンサーもいます。
劇場は観客を「教育」するために、最初は分かりやすい古典作品にアクセントを置きました。レパートリーには「エフゲニー・オネーギン」、「スルタン王の物語」、「カルメン」、「アレコ」、「トスカ」、「くるみ割り人形」、「白鳥の湖」、「海賊」などがあります。舞台装置も特筆する価値があります。一言で言えば、贅沢でケチケチしていません!カーテンが上がって舞台を見た途端、観客は息を呑みます。
時間が経つにつれてプログラムも豊富になり、複雑なクラシック項目、現代的な作品も加わってきています。この劇場が、人気があり素晴らしい伝統となってきている、国や都市をつなぐ国際的な文化の懸け橋となっていることは、特に言及する価値があります。
このようなレベルの劇場がウラジオストクにできたことは、地元のアーティストの卵たちにとって極めて重要な出来事となりました。地元で素晴らしいキャリアを築くという展望が開けたのです。「くるみ割り人形」のコールドバレエに招かれた地元バレエ学校の若手生徒たちが、「芸術がその殿堂を得た」と興奮気味に語っていました。これは彼らの家であり、舞台であり、彼らの夢、彼らの将来です。
劇場が開いた当初には、多くの人が1500席ものホールを満席にできるのるかと頭を悩ませていました。それが今や、いつも満席なのです。ですので、チケットは前もって手配しておいた方がいいです。劇場のチケット売り場やオンラインで購入出来ます。