お土産品探しのロシア風スタイルは、「美人と野獣」のようなストーリーになります。花を探しに行って、ただかわいいと思ったら摘んでしまいますが、実際はロシア民族の昔から続く謎の発見になるのです。
ホフロマは、ロシアの木でできた「金」と呼ばれています。画家の筆から、黒色、金色、赤色、緑色の絵の具を使って、花やベリー類などの美しいデザインが生まれます。400年前からホフロマ模様は、食器、置物、アクセサリー、家具に描かれています。特別な漆を塗り、120°Cのオーブンで焼くので、食べ物や飲み物に実際に使っても大丈夫です。ただ、中国製の偽物と間違えないようにしてください。本物のホフロマは、表面が滑らかで、手触りが温かく、「ホフロムスカーヤ・ロースピシ(ホフロマ模様)」という長円形のラベルが付いています。
真っ白な磁器に青いバラの花や珍しい鳥の模様が塗られているのは、グジェリです。グジェリの磁器は日に当てると透けるほど薄く、模様を描くために使われている絵の具は黒いコバルトのみです。窯で焼いた後、模様が様々な色合いの青色に変化します。
観光客が絵本を見ているかのように、小物入れ、ブローチ、髪留めなどを眺めています。実は、この小さな空間に、ロシアの神話や昔話、季節、農民の生活などを物語っている絵が細かに描かれているのです。フェドスキノ、パレフ、ホルイの漆の細密画は、張り子(パピエ・マーシュ)に描かれたロシアの独特の芸術です。
「べレスタ」というロシアの言葉の意味を外国人に伝えようとしたら、「シラカバからできた飾り」としか説明のしようがありません。細かい木彫りの模様が美しく付けられた、シラカバの樹皮の上層部分から小物やアクセサリーを作るのは、ロシアの伝統的な民芸です。シラカバの樹皮には銀のイオンが含まれているので、殺菌効果があります。そして、現在インテリアデザインの雑誌で話題になっている「エコ・ミニマリズム」スタイルに最適のオブジェにもなるでしょう。
日本人の若い女性観光客が2枚ずつも買っていくパブロヴォポサードのショール。彼女たちは最近流行っているファッションを意識しているのかもしれません。物語のように美しい花模様のショールを何枚か縫いつなげれば、民族調のスカートやワンピースができます。「パブロヴォポサード・ショール工場」のラベルは、ショールが天然繊維から造られ、それぞれの模様が美術品であることを保証しています。
「日本に行くの。店で買えないようなお土産になる刺繍をしてくれない?」と友達に頼まれたことは、「スモローディナ」(スグリ)というウラジオストクのブランドを作るきっかけになりました。デザイナーのヴェロニーカ・ローディナは、伝統的なスラブ民族の刺繍をほどこした洋服、お土産、おもちゃを作っています。大昔から伝わってきたスラブの模様は、古代のロシアの神話と習慣を語る物語でもあり、お守りの意味もあります。そのシンボルの深い意味は外国人どころか、現在のロシア人にもさっぱりわからないです。例えば、魚にしか見えないクロスステッチ刺繍のマグネットは、実際には家族やふるさとの象徴であるオダルというルーン文字なのです。また、香りのいい木屑を詰めたリネンのクマの縫いぐるみはただのおもちゃではないのです。スラブ文化に詳しい人は、豊饒や家庭、工芸の神様であるヴォ―ロスの象徴だとわかるでしょう。
ウラジオストクのデザイナー達の作品は、ハンドメイドの店「クーチャ・マラー」で購入することができます。所在地:フォーキナ通り8B番地、25号室、instagram.com/kucha_kucha
ロシアの民芸品は、「VladGifts」社の販売店でも購入できます。
所在地:Aksakovskaya, 3A(鷲の巣展望台)、またはKorabelnaya naberezhnaya, 1A(2,3階)。営業時間:09:00–20:00
パブロヴォポサード・ショールの専門店:
Okeansky prospect, 16(「イズムルード」ショッピングモール2階),営業時間:10:00–19:00