金の島:アスコーリド島

船でエラーギン岬に近づき、岩の細道を山の上にある古い灯台まで登ると、開拓者の気分になります。アスコーリド島は、ロシア海軍の最初のプロペラ式フリゲートの一つであった「アスコーリド号」にちなんで名付けられましたが、「アスコーリド」というのは、元々古代キエフのアスコーリド公の名前です。アスコーリド島には、革命の前に建設された古い灯台の他に、現在も稼働している灯台もあり、毎夜、南または東南からウラジオストク市に近づいてくる船の道を明るく照らしています。

アスコーリド島を訪れる目的は、ゴールドラッシュを追体験することです。1867年にこの島で金鉱が発見され、中国人採金者が巨万の富を追い求めて島に殺到しました。この金鉱が、1868年に沿海地方で発生したいわゆる満子戦争の原因となりました。最近の地質調査によると、アスコーリド島の産金高は250キロで、推定鉱量はさらに9トンあるそうです。金採掘事業は第2次世界大戦の直前に中止されましたが、現在でも、150年前と同じように、アスコーリド島の宝物の噂に興味を持った冒険者と採金者がここにやって来たりします。

60年間にわたり、アスコーリド島は秘密の軍事施設となっていました。軍隊は撤退しましたが、海からの攻撃に備えた防衛用のlMB-2-12大砲2台が設置された要塞施設がまだ残っています。この20世紀らしい好戦的な雰囲気を体験してみたい方は、展望所または地下の指令所に入ったり、25年前まで実際の演習の時に使われていた巨大な大砲に登ったりする等、自由に見学できます。

自然が好きな方は、人気(ひとけ)のない砂浜、沿岸の岩から見られる素晴らしい風景、野生鹿との出会いに心を動かされるでしょう。また、夜にはきれいに見える星空を眺めたり、朝には海岸の朝日を楽しんだりしながら、ここで静かなひと時を過ごせます。市内に帰っても、無人島の清々しい雰囲気を思い出し、きっと笑顔で仕事を続けられるでしょう。

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