オデッサ市の匂いがするアジアの果てのヨーロッパの街。。。これが2015年映画祭「パシフィック・メリディアン(太平洋子午線)」の賓客が見たウラジオストクです

第13回環太平洋国際映画祭
「パシフィック・メリディアン」の賓客、
ウラジオストクを語る

テキスト:アレクサンドラ・トロプツェヴァ、エレナ・ヴァシコフスカヤ
写真:イワン・ベロジョーロフ、アーシャ・オルローヴァ
2015年にウラジオストクは、すでに13回目の環太平洋国際映画祭「パシフィック・メリディアン」の賓客や参加者を受け入れました。海外や国内の映画スターは一週間にわたって、ウラジオストクの秋の日差しの中で輝いていました。住民や来訪客は映画祭の開催期間中に47カ国の監督の150本の映画を鑑賞出来ました。映画祭のレッド・カーペットの上を映画界の大御所数十人が歩きました。我々は賓客の眼で見たウラジオストクの感じや映画祭中に発見したものについて伺ってみました。
金基徳監督(韓国)
有名な韓国の監督、金基徳氏は映画祭の枠組みで「STOP」という新作を発表し、その主人公の若い日本人のカップルは福島原発事故から避難するというシナリオだ。
「ウラジオストク・トラベル」編集部から韓国の監督にウラジオストク一流のカメラマンが撮影した写真集を差し上げました。いつかウラジオストクについての映画をプレゼント出来ることを期待しています。
「私が『パシフィック・メリディアン』に参加するのは三回目となります。一番最後にウラジオを訪れたのは10年前でした。当時の出品作は『春夏秋冬そしてまた春』と『Empty house』でした。今回は新作を持ってきました。私にとって言うまでもなく興味があるイベントで、喜んで招待に応じました。若いころには海軍で兵役任務を果たしたが、軍艦はまだ見てないので、今回の訪問では必ず海軍関連の場所を見たいと思います。その代わり帆船「パラーダ」号に乗船し、海からウラジオストクの景色を眺めることが出来ました。

ウラジオストクは近くに北朝鮮、中国、日本など三カ国の国境があり、非常に面白い地理的な位置を持っています。町を散歩しながら、この場所は必ず未来に大きな展望があると考えていました。」
アンソニー・チェン監督(シンガポール)
2013年カンヌ国際映画祭のベスト・デビュー監督に授与されるカメラ・ドール賞の受賞者。シンガポールの監督、アンソニー・チェン氏が今年の第13回国際映画祭「パシフィック・メリディアン」の審査員の一員になりました。
「数年前に私の映画『イロイロ‐ぬくもりの記憶』が「パシフィック・メリディアン」映画祭に出品され、グランプリ、ベスト・アジア映画賞(NetPac)や女優賞などの三部門で受賞しました。その時に映画を出品・参加したのは出演した女優達でした。その後、彼女たちがウラジオストクや砂浜や海について大喜びで私に語ってくれました。今回は自分でここに審査員として来ることができ、大変嬉しく思っています。映画祭の参加者であれば、どの映画を見るかについて自分で決めることが出来ます。だが、審査員であるので、全ての作品を見ないといけません。しかしそれも面白いことで、何か新しいものを見ることが出来ます。私は1日に19本の映画を見たり、ホテルと映画館の間に移動したりしているばかりなので、ウラジオストク自体を見ることはほとんどできませんでした。ただし街で見たものは大変気に入りました。海、太平洋、すっきりとした青空などがあって、海岸でゆっくりリラックスすることが出来ます。天気は素晴らしく、暑くもないし、寒くもないし、丁度いい気候です。他の季節はどんな感じが分かりませんが今のシーズンは気持ち良いです。今度妻も連れてもう一度訪れてみたいです。女房は絶対海が気に入ると思います。」
映画監督、脚本家
レジス・ヴァルニエ(フランス)
アカデミー賞受賞者のレジス・ヴァルニエ氏は、「イースト・ウエスト」のお陰でロシアで人気を博しました。彼は今年の映画祭に「The Gate」を出品したばかりか、審査委員の一人としても参加しました。名手の監督に、ウラジオが次の彼の映画のロケ地になるとすれば、どんなジャンルの映画を撮影するかについて聞いてみました。
「ちょっと考えさせて下さい...はっきりとは分かりませんね。しかし、街が気に入りました。結構大きいですね。港や海岸が独特な雰囲気を生み出し、それが気持ちいいのです。でも映画の脚本はまだ浮かんでこないです。ウラジオストクの住民については、他の街のロシア人と同じようなエネルギーを感じられます。

不思議なのは、ウラジオストクがアジアの果てでありながらまだロシアだということです。来訪する前にどこに行くかはっきり分かっていましたし、ウラジオストクのことも知っていましたが、驚くべきことに、モスクワで飛行機に乗り、機内で8時間過ごしたあとに到着しても、まだロシアなのです。それが私には本当に思いがけないことです。ここにはロシアとアジアが融合していることが非常に気に入っています。ヨーロッパの建築、街路、建物などが残っていて、モスクワやキエフに似ています。たまにウラジオストクの真ん中に立ちながら、オデッサの匂いを感じます。ここには同じく港と2階建ての建物があって、同じような色に塗られているからです。

ここはアジアの土地に存在するロシア文化の街です。非常に面白い融合です。」
プロデューサー
夏原 健(日本)
55歳の女性とその英語の先生との関係を描く「Oh Lucy!」という短編映画を出品しました。
「ウラジオストクには東京から来ました。飛行機でわずか2時間半ぐらいです。そんな短時間でヨーロッパに行けるということにびっくりしました。

ウラジオストクと日本は地理的に近くに位置していますが、残念ながら精神的にはまだ遠いです。日本では一番近いヨーロッパの街であるウラジオストクがほとんど知られていないです。私の考えでは、情報をより積極的に発信する必要があります。

今年の映画祭に出品したのは「Oh Lucy!」という短編映画です。プロデューサーとしての私のデビュー作となります。桃井かおり(「さゆり」、「終戦のエンペラー」)に主役を演じるよう説得するため、ロサンゼルスまでわざわざ行きました。「Oh Lucy!」は既にカンヌ映画祭やサンダンス映画祭にて名誉ある賞を獲得しました。ウラジオストクでも成功を期待しています。今後の予定としては、長編映画の撮影に取り組みます。」