グルメの夕べ

フランス人ジャーナリストが極東料理を評価する

テキスト:ポストノヴァ・ナタリヤ; 撮影:アルチョーム・ガンジャ
「Le Courrier de Russie」誌はメディアにおけるロシアについてのポジティブなイメージを促進するという高尚なミッションを遂行しており、ウラジオストク市特集の取材を目的としてウラジオストクを訪れました。「Vladivostok.travel」チームは、ウラジオストクにおけるグルメの新側面をフランス人の来客に紹介し、極東料理レストランでタイガの恵みや海の幸を堪能してもらうことにしました。
フランス人は、ふつうカキをオードブルとして食べます。「Port Café」のエドゥアルド・リャブキン支配人は、「我々は逆にカキをデザートとして食べています」と冗談を言いました。一番最初に食卓に出たのはしじみのクリーム・スープです。しじみは非常に体に良く、視力を改善する機能を有する貝です。リャブキン支配人によりますと、日本人の船員たちは以前は毎日このようなスープを食べていました。
エドゥアルド氏が言うには「極東料理は様々なグルメの伝統の融合となっています。ここではウクライナ由来のボルシチとシベリアのペリメニが生の海産物と隣り合い、多くの料理に韓国、日本、中国料理の雰囲気が漂っています。極東固有種のタイガの野生植物やしじみのような地元の貝類は、極東料理に華やかな個性を与えています」。

次にノロジカ肉のカルパッチョ(簡単に言えば、ストロガニーナ)が出されました。この料理の生肉は包丁や特別な機械を使って細く切られています。肉を切りよくするためと、黴菌を殺すために、前もって冷凍されています。
「LE COURRIER DE RUSSIE」誌編集部は沿海地方のホスピタリティーに驚く
続いてシェフが挨拶に出てきました。彼はホタテの開け方や食べ方について実演し説明しました。フランス人の来客はホタテの動き方や年齢について当ててみるように言われ、彼らは何とか言い当てることが出来ました。ホタテの貝殻には年輪があることが判明しました。

ホタテが生息地の海底で育つ時、この年輪は等しく広がっていきます。冬季には温度が低いため成長が夏より遅くなるので、殻には季節を示す輪が作られ、その輪を数えればホタテの年齢がわかります。我々が食べたホタテは4歳でした。もし食卓に乗せられることがなければ、ホタテは平均15年ぐらい生きます。
ホタテの次に、シェフはカキを取り分け始めました。カキは暖かい海に住んでいます。海水の塩分率が高ければ高いほど成長するのが早いですが、身が硬くなります。フランス人の来客は極東のカキが硬めで、ヨウ素の香りが強いと指摘しました。また、極東のカキはフランスのカキよりサイズが大きく、殻もより大きく固いです。
飲みものとして、来客に出されたのは自家製の果実酒、西洋ワサビの酒と沿海地方のハスカップのワインです。ワインも当地製で、アニシモフカ村にある「マイヒンスカヤ」というワイナリーのものです。

デザートにはビルベリー、ロシア語でキシミシと呼ばれるブドウの一種、クロポフカと呼ばれるサハリンでとれる赤く特徴のある匂いを持つ果実などから作った何種類かのジャムが出されました。これを、ウスリー・タイガで経験豊富な専門家によって採取された20種類のハーブが入ったお茶と一緒に飲むように勧められました。
出版社のJean-Félix de La Ville Baugé社長は、レストランの料理が全て地元の食材から調理されたことに驚きました。また、Jean-Félix氏はずっとウラジオストクを訪れたかったと語りました。彼にとっては、ウラジオストクは遠くにあって触れることのできないような伝説的な存在でした。

しかしこのウラジオストクプロジェクトのおかげで、その伝説が期待を超える現実となりました。Jean-Felix氏によりますと、「ウラジオストクはロシアの街という感じを持っていますが、首都や中部、シベリアに見られるロシアとは全く異なります。この街は海、中国、韓国、日本など近隣の影響を受け、独特の雰囲気を持っています」。
この会食は編集部のウラジオストク滞在日程の最終日に開催され、次の日には自国の読者宛にウラジオストクの印象や発見についての特集をまとめるために、モスクワへと発ちました。